1909年
73歳頃

お気に入りの習慣

画家 ローレンス・アルマ=タデマ
A Favourite Custom / テート・ブリテン
古代の浴場を、考古学的な細部と静かな日常が共存する光景として見せる。

何が描かれているか

ポンペイのスタビア浴場を思わせる室内で、二人の女性が水に入る。奥では別の人々が衣服を脱いでいる。
水面、床、壁まで大理石で囲まれ、赤い花びらが白い空間へ色を加える。
手前の二人が静かに水へ入り、壁の向こうでは別の人々が衣服を脱いでいる。磨かれた石、水面、赤い花びらの差によって、広い公共浴場の中に小さな私的時間が生まれ、見る側も浴室の縁にいるような低い位置へ置かれる。

作品の見どころ

壁の向こうにも人を置いて奥行きを作りつつ、手前の二人は静かな私的時間に見える。
磨かれた石と水の反射を細かく描き、古代建築を目で触れるような質感へ変える。
前景の二人から壁越しの人物へ視線を移すと、公共空間の広さと私的な親密さが共存していると分かる。大理石を冷たい背景にせず、水と肌の柔らかさを際立たせる比較材料にした。

制作背景

1909年制作。舞台はポンペイのスタビア浴場をもとに構成された。
晩年の作品で、古代を大事件ではなく繰り返される日常の習慣として描く。
舞台はポンペイのスタビア浴場をもとに構成された。1909年の晩年作で、古代を皇帝や戦争の大事件ではなく、繰り返される日常の習慣として扱う。遺跡の知識を基礎にしながら、清潔で静かな光景は画家が再構成した理想的な古代生活である。

作品情報

材質・技法
板に油彩ゆさい
所蔵
テート・ブリテン
位置づけ
ポンペイのスタビア浴場をもとにした空間

出典・画像について

出典:テート 作品解説2026-09-13 確認)
画像:Lawrence Alma-Tademaお気に入りの習慣》/お気に入りの習慣 — Lawrence Alma-Tadema / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-13 確認)
Public Domain表示の忠実な複製画像です。扱いは国・地域によって異なります。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

中野京子と読み解く 運命の絵 なぜ、ままならない
中野京子 / 文藝春秋
アルマ=タデマの白い大理石表現を含む名画を、人物の運命と物語から読み解く鑑賞入門です。
楽天ブックスで見る →